花の宴(読み)ハナノエン

デジタル大辞泉 「花の宴」の意味・読み・例文・類語

はな‐の‐えん【花の宴】

花を観賞しながら催す酒宴。特に、観桜の宴。 春》
嵯峨の院、―きこしめさむとて」〈宇津保・国譲下〉
源氏物語第8巻の巻名。光源氏20歳。桜花の宴と、源氏朧月夜おぼろづくよとの恋愛を描く。

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精選版 日本国語大辞典 「花の宴」の意味・読み・例文・類語

はな【花】 の 宴(えん)

  1. 季節の花を観賞しながら催す酒宴。特に、春の観桜の宴にいう。《 季語・春 》
    1. [初出の実例]「幸神泉苑花樹、命文人詩、賜綿有差、花宴之節、始於此矣」(出典類聚国史‐三一・天皇行幸下・弘仁三年(812)二月辛丑)
    2. 「春高楼の花(ハナ)の宴(エン) めぐる盃かげさして」(出典:唱歌荒城の月(1901)〈土井晩翠〉)

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歌舞伎・浄瑠璃外題よみかた辞典 「花の宴」の解説

花の宴
はなのえん

歌舞伎浄瑠璃外題
初演
寛文2.5(江戸・古伝内芝居)

出典 日外アソシエーツ「歌舞伎・浄瑠璃外題よみかた辞典」歌舞伎・浄瑠璃外題よみかた辞典について 情報

世界大百科事典(旧版)内の花の宴の言及

【花見】より

…豊臣秀吉の醍醐や吉野山の花見は華美をきわめ,数寄をこらした衣装で,歌舞などの芸事をつくし,江戸時代の庶民のはでな花見のさきがけをなした。宮廷では,花見は節日となり,〈花の宴〉と呼ばれた。《日本後紀》弘仁3年(812)2月12日の条に,神泉苑で花を見て,文人に詩を作らせたのが,〈花の宴〉の節の始まりであるとある。…

※「花の宴」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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