桜花(読み)さくらばな

精選版 日本国語大辞典 「桜花」の意味・読み・例文・類語

さくら‐ばな【桜花】

[1] 桜の花。おうか。《季・春》
万葉(8C後)五・八二九「梅の花咲きて散りなば佐久良婆那(サクラバナ)継ぎて咲くべくなりにてあらずや」
古今(905‐914)賀・三四九「さくら花ちりかひくもれおいらくのこむといふなるみちまがふがに〈在原業平〉」
[2] 桜の花の盛りのようにの意から、「栄え少女(おとめ)」(若々しく美しい少女の意)にかかる。
※万葉(8C後)一三・三三〇九「つつじ花 にほえ少女 作楽花(さくラばな) さかえ少女」

おう‐か アウクヮ【桜花】

〘名〙 サクラの花。さくらばな。《季・春》
凌雲集(814)三月三日侍宴応詔〈賀陽豊年〉「柳葉依糸緑、桜花払舞紅」

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デジタル大辞泉 「桜花」の意味・読み・例文・類語

おう‐か〔アウクワ〕【桜花】

桜の花。「桜花爛漫らんまん 春》
[類語]草花生花生け花切り花盛り花押し花造花ドライフラワー花束ブーケ花輪レイ徒花あだばな無駄花初花国花県花名花梅花菊花綿花菜の花落花

さくら‐ばな【桜花】

[名]桜の花。おうか。
[枕]桜の花のように美しく栄える意から、「栄え少女をとめ」にかかる。
「つつじ花にほへ娘子をとめ―栄え娘子」〈・三三〇九〉

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普及版 字通 「桜花」の読み・字形・画数・意味

【桜花】おうか(あうくわ)

ゆすらうめの花。南唐・李新恩を謝す〕詩 櫻(ち)り盡して、階あり 象床に愁ひつつ籠に倚(よ)る

字通「桜」の項目を見る

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世界大百科事典(旧版)内の桜花の言及

【特別攻撃隊】より

…この作戦で陸軍は重爆撃機の胴体部分に3tの爆薬(桜弾という)を装着した特攻機を使用した。海軍は体当りグライダー〈桜花〉を用いた。〈桜花〉は親飛行機で目標付近まで運ばれ,空中で離脱発進し,敵艦に命中するものである(終戦時には地上から射出する型式のものができた。…

※「桜花」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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