花園遺跡(読み)はなぞのいせき

日本歴史地名大系 「花園遺跡」の解説

花園遺跡
はなぞのいせき

[現在地名]三次市十日市町 岡竹

三次盆地の南縁に発達する丘陵地形から通称花園丘陵とよばれる一支丘が北へ張出すが、この一帯は三次盆地でも最も濃厚に埋蔵文化財が分布している地域である。当遺跡は弥生時代前期後半から古墳時代前半の墳墓群で、国指定史跡

第一号墓は丘陵の最高所を占め、東西三一メートル・南北二〇メートル、周囲に溝や貼付式の石列をめぐらした方形台状墓で、内部に土壙四〇・石囲い土壙二三・石棺二三の計八六が集中している。第二号墓は第一号墓の北西に接し、三方向を切削加工して貼付式の石列をめぐらした方形台状墓で、内部に土壙一七・石棺四の計二一がある。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

国指定史跡ガイド 「花園遺跡」の解説

はなぞのいせき【花園遺跡】


広島県三次(みよし)市十日市町にある墳墓。三次盆地の花園丘陵と呼ばれている丘陵上にある。発掘調査により、標高190mの頂部から北の傾斜面にかけて、弥生時代中期から後期につくられた方形台状の墳墓、方形周溝墓が多数発見された。そのうち台状墳墓3基が、1978年(昭和53)に国の史跡に指定された。第1号墳は花園丘陵の最高所にあり、東西32m、南北18m。北・東・西辺に高さ1.3mの貼り石があり、南辺は幅1~2m、深さ0.2mの溝で区画している。墓域内部には土坑や石囲い土坑、箱形石棺が多数密集して発見された。土坑は、墓域の中央部に2~3基が対をなすかのように配置されている。第2号墳は、第1号墳の北西に接し、東西15m、南北9mの長方形である。第3号墳は、第1号墳の北、第2号墳の東に接しているが、範囲を区画する溝などをもたないので広さは不明である。この3遺構の北には方形周溝墓状の遺構が見られ、それぞれ多くの埋葬施設をそなえている。共同墓地的な墳墓群として墓制を考えるうえで重要な遺跡である。JR芸備線ほか三次駅から車で約7分。

出典 講談社国指定史跡ガイドについて 情報

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