花実(読み)カジツ

デジタル大辞泉 「花実」の意味・読み・例文・類語

か‐じつ〔クワ‐〕【花実】

花と実。
歌論用語で、外観実質表現内容
中比なかごろ古今の時、―共に備はりて」〈無名抄

はな‐み【花実】

花と実。
名とじつ

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精選版 日本国語大辞典 「花実」の意味・読み・例文・類語

か‐じつクヮ‥【花実・華実】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 植物の花と実。
    1. [初出の実例]「水晶の花実(クヮジツ)に、琥珀蓮華を葺けり」(出典源平盛衰記(14C前)四六)
    2. [その他の文献]〔班固‐西都賦〕
  3. 花も実もあること。また、外観と実質。形式と内容。
    1. [初出の実例]「故抽弘仁、至于延長、詞人之作、花実相兼而已」(出典:新撰和歌(930‐934)序)
    2. 「左は虚也。右は実。花実いづれをかとらん」(出典:俳諧・田舎の句合(1680)九番)
    3. [その他の文献]〔南史‐斉衡陽王鈞伝〕

はな‐み【花実】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 花と実。
    1. [初出の実例]「華実(ハナミ)の毛(くにつもの)は則ち三韓(みつのからくに)の上腴(よきもの)なり」(出典:日本書紀(720)天智元年一二月(北野本訓))
  3. 転じて、名と実(じつ)名利実益名実(めいじつ)。また、花が咲き実を結ぶ意で、繁栄する、栄えること。
    1. [初出の実例]「頭の雪に埋れ木の、いつの花実(はなミ)とながらへて」(出典:浄瑠璃・傾城島原蛙合戦(1719)三)

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普及版 字通 「花実」の読み・字形・画数・意味

【花実】かじつ

花と実。

字通「花」の項目を見る

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

世界大百科事典(旧版)内の花実の言及

【虚実】より

… 日本では主として近世の俳諧や演劇の方面で用いられ,その芸術観,文学本質論,表現論等を記述する場合の重要概念となっている。表現論としての虚実論は,歌学歌論における花実論と類似した点があり,一部その伝統を受け継いでいる。歌論でいう〈花〉は,外面的修飾や理想化されたイメージを意味し,〈実〉は内面的真情やありのままの事実を意味するが,その究極的理想は花実相兼である。…

※「花実」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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