琥珀(読み)こはく(英語表記)amber

翻訳|amber

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

琥珀
こはく
amber

C40H64O4 。マツ類の樹脂の化石非晶質樹脂光沢,透明ないし半透明,黄または褐赤色。比重 1.04~1.10,硬度2~3。約 150℃で軟化し,250~300℃で溶ける。摩擦すると帯電し微粉を吸着する。古くから飾石として用いられている。透明度が高く,琥珀中に虫の化石などが封じ込まれたものは特に珍重される。パイプなどの工芸品になるものは,軟化点付近で圧力をかけて,琥珀の破片を融合させたものが多い。バルト海沿岸地方,シチリア島ルーマニアなどが主産地。

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岩石学辞典の解説

琥珀

黄色,橙色の化石樹脂で,透明または半透明で針葉樹によって形成される[Tomkeieff : 1954].アグスタイン(agstein),エレクトロン(electron), グレサム(glessum), リンクリウムlyncurium), 山猫石(lynx stone)などは同義.アラビア語でanbarは竜涎香(りゅうぜんこう)のことらしい.琥珀には無色透明なものもあり,しばしば昆虫や他の生物体を含んでいる.石炭層中の沖積土(alluvial soil), 海岸中(特にバルト海沿岸)に多く産する[隅田 : 2002].Bernsteinは琥珀(amber)のドイツ語[Tomkeieff : 1954].

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大辞林 第三版の解説

こはく【琥珀】

植物の樹脂が化石となったもの。黄褐色ないし黄色で樹脂光沢があり、透明ないし半透明。保存状態の良い昆虫化石が含まれることもある。比重は1.096、硬度2~2.5。炭層に伴って産出する。良質のものは飾り石となる。くはく。赤玉。
「琥珀織り」「琥珀色」などの略。

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精選版 日本国語大辞典の解説

く‐はく【琥珀】

※十巻本和名抄(934頃)三「琥珀 兼名苑云琥珀〈虎伯二音 俗音久波久〉」

こ‐はく【琥珀】

〘名〙
① 地質時代の樹脂類が地中に埋没して石化したもの。おおむね黄色を帯び、透明または半透明。脂肪性のつやがある。摩擦すると静電気を起こしやすく、物を吸いつける性質をもつ。装飾、香料、利尿剤、電気絶縁材などの材料として用いる。また、仏教では七宝の一つに数える。あかだま。くはく。
※大安寺伽藍縁起并流記資財帳‐天平二〇年(748)六月一七日「合誦数弐拾玖貫 五貫水精〈略〉二貫琥珀 一貫水精琥珀交並仏物」 〔李白‐客中行〕
浮世草子・諸道聴耳世間猿(1766)一「琥珀の羽織、せめては是をとずんずんに引さきしは」

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