琥珀(読み)コハク

デジタル大辞泉 「琥珀」の意味・読み・例文・類語

こ‐はく【××珀】

地質時代樹脂の化石。黄色で半透明樹脂光沢があり、非晶質。しばしば昆虫などの入ったものも見つかる。アクセサリーなどに利用。赤玉
琥珀おり」の略。
[類語]宝石たまぎょく宝玉勾玉原石金剛石ダイヤモンド玻璃石英水晶クリスタルクオーツ紫水晶アメシスト瑪瑙猫目石キャッツアイエメラルド翠玉緑玉石トパーズ黄玉オパール蛋白石トルコ石ターコイズガーネット柘榴石瑠璃鋼玉ルビーサファイア翡翠碧玉真珠パール

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「琥珀」の意味・読み・例文・類語

こ‐はく【琥珀】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 地質時代の樹脂類が地中に埋没して石化したもの。おおむね黄色を帯び、透明または半透明。脂肪性のつやがある。摩擦すると静電気を起こしやすく、物を吸いつける性質をもつ。装飾香料利尿剤、電気絶縁材などの材料として用いる。また、仏教では七宝の一つに数える。あかだま。くはく。
    1. [初出の実例]「合誦数弐拾玖貫 五貫水精〈略〉二貫琥珀 一貫水精琥珀交並仏物」(出典:大安寺伽藍縁起并流記資財帳‐天平二〇年(748)六月一七日)
    2. [その他の文献]〔李白‐客中行〕
  3. こはくおり(琥珀織)」の略。
    1. [初出の実例]「琥珀の羽織、せめては是をとずんずんに引さきしは」(出典:浮世草子・諸道聴耳世間猿(1766)一)

く‐はく【琥珀】

  1. 〘 名詞 〙こはく(琥珀)
    1. [初出の実例]「琥珀 兼名苑云琥珀〈虎伯二音 俗音久波久〉」(出典:十巻本和名抄(934頃)三)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

普及版 字通 「琥珀」の読み・字形・画数・意味

【琥珀】こはく

玉の名。樹脂が久しく土中にあって化するという。黄色で透明なものを上質とする。こはく。〔博物志薬物仙傳に云ふ。柏の脂、地に入りて千年にして、して(ふくれい)と爲る。して琥珀と爲る。琥珀は一名江珠。今泰山に、を出だすも、琥珀無し。州の永昌に、琥珀を出だすも無し。

字通「琥」の項目を見る

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

岩石学辞典 「琥珀」の解説

琥珀

黄色,橙色の化石樹脂で,透明または半透明で針葉樹によって形成される[Tomkeieff : 1954].アグスタイン(agstein),エレクトロン(electron), グレサム(glessum), リンクリウム(lyncurium), 山猫石(lynx stone)などは同義.アラビア語でanbarは竜涎香(りゅうぜんこう)のことらしい.琥珀には無色透明なものもあり,しばしば昆虫や他の生物体を含んでいる.石炭層中の沖積土(alluvial soil), 海岸中(特にバルト海沿岸)に多く産する[隅田 : 2002].Bernsteinは琥珀(amber)のドイツ語[Tomkeieff : 1954].

出典 朝倉書店岩石学辞典について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「琥珀」の意味・わかりやすい解説

琥珀
こはく
amber

C40H64O4 。マツ類の樹脂の化石。非晶質,樹脂光沢,透明ないし半透明,黄または褐赤色。比重 1.04~1.10,硬度2~3。約 150℃で軟化し,250~300℃で溶ける。摩擦すると帯電し微粉を吸着する。古くから飾石として用いられている。透明度が高く,琥珀中に虫の化石などが封じ込まれたものは特に珍重される。パイプなどの工芸品になるものは,軟化点付近で圧力をかけて,琥珀の破片を融合させたものが多い。バルト海沿岸地方,シチリア島ルーマニアなどが主産地

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

デジタル大辞泉プラス 「琥珀」の解説

琥珀

セーラー万年筆株式会社の万年筆の商品名。岩手県久慈市にある久慈琥珀株式会社と共同開発。本体に天然琥珀を使用。

出典 小学館デジタル大辞泉プラスについて 情報

今日のキーワード

プラチナキャリア

年齢を問わず、多様なキャリア形成で活躍する働き方。企業には専門人材の育成支援やリスキリング(学び直し)の機会提供、女性活躍推進や従業員と役員の接点拡大などが求められる。人材の確保につながり、従業員を...

プラチナキャリアの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android