山川 世界史小辞典 改訂新版 「英仏植民地戦争」の解説
英仏植民地戦争(えいふつしょくみんちせんそう)
17世紀に植民地経営を積極的に推進し始めた英仏両国は,17世紀後半から18世紀半ばにかけて,植民地支配の覇権をめぐって争った。アウクスブルク同盟戦争,スペイン継承戦争,オーストリア継承戦争,七年戦争は,いずれも植民地をめぐる両国の争いが重要な部分を占めており,その他植民地だけで戦われた戦争もあった。スペイン継承戦争以来,イギリスが優位に立ったが,それを決定的にしたのは七年戦争であった。1763年のパリ条約でイギリスはフランスからカナダを,スペインからフロリダを奪い,一方フランスは北アメリカの領土をほとんど全部失った。イギリスは西インド諸島やアフリカでも領土をふやし,またインドではフランスの影響力をほとんど排除することに成功し,将来のインド支配への道を開いた。
出典 山川出版社「山川 世界史小辞典 改訂新版」山川 世界史小辞典 改訂新版について 情報