日本大百科全書(ニッポニカ) 「ウィリアム王戦争」の意味・わかりやすい解説
ウィリアム王戦争
うぃりあむおうせんそう
King William's War
1689年から97年にかけて北アメリカ植民地で戦われたイギリスとフランスとの戦争。名誉革命後に起こったヨーロッパでのアウクスブルク同盟戦争(別名プファルツ戦争)と並行して、北アメリカでは、東岸から内陸へ西進を図ろうとするイギリスと、カナダのニュー・フランスから南下をうかがうフランスとが衝突した。フランス側はインディアンにイギリス植民地を襲撃させる戦術をとったが、他方イギリスはアカディアのポート・ロイヤルを奪ったうえ、ケベック奪取を目ざして艦隊を送ったが失敗した。北アメリカ植民地における英仏の最初の武力紛争であったが、どちらも戦果をあげられぬまま、1697年ヨーロッパでライスワイク条約が結ばれたことにより、終結をみた。
[大久保桂子]