ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「萩原葉子」の意味・わかりやすい解説
萩原葉子
はぎわらようこ
[没]2005.7.1. 東京
作家。詩人萩原朔太郎の長女に生まれ,両親の離婚により祖母のもとで育てられた。母の不倫によって自分を含む子供 2人が捨てられたことがトラウマとなった。『父・萩原朔太郎』(1959,日本エッセイストクラブ賞)でデビューし,1966年敬愛する詩人三好達治の人間像を彫琢した『天上の花――三好達治抄』(1966)で新潮社文学賞と田村俊子賞を受けた。どんなに家の恥になるようなことをしても,最後には父が守ってくれるという確信を心の支えにして生きていく自画像を描いた代表作『蕁麻(いらくさ)の家』(1976,女流文学賞),『閉ざされた庭』(1984),『輪廻の暦』(1997)の三部作が,1999年に毎日芸術賞と高橋元吉文化賞を受賞した。『朔太郎とおだまきの花』(2005)が遺作となった。
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