落落(読み)ラクラク

デジタル大辞泉 「落落」の意味・読み・例文・類語

らく‐らく【落落】

[ト・タル][文][形動タリ]
度量が大きくてこだわらないさま。
「幸に胆勇―たるアゼシラウス王の在る有て」〈竜渓経国美談
物が落ちたり倒れたりしているさま。
「無数の岩が―として其処そこら一面に重なっているのだから」〈独歩・帰去来
まばらでもの寂しいさま。
「―たる戸庭、人見えず」〈本朝文粋・一〉

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精選版 日本国語大辞典 「落落」の意味・読み・例文・類語

らく‐らく【落落】

〘形動タリ〙
① まばらなさま。さびしいさま。また、零落したさま。
※本朝文粋(1060頃)一・貧女吟〈紀長谷雄〉「落落戸庭人不見、欲悲緒遂無因」 〔陸機‐歎逝賦〕
② 高く抜きん出るさま。そびえるさま。
※三教指帰(797頃)下「孤伏落落之松蔭、空滅樹辺」 〔孫綽‐遊天台山賦〕
③ 度量が大きくて小事にこだわらないさま。
※両足院本山谷抄(1500頃)一四「胸中をば落々ともちたぞ。砕細ではかなうまいぞと教へ戒るぞ」 〔蜀志‐彭伝〕
性質が偏屈で、他と合わないさま。また、人に迎合しないさま。〔後漢書‐耿弇伝〕
⑤ 物の落ちたり倒れたりするさま。落落磊磊(らいらい)
三国伝記(1407‐46頃か)一「只天水落落として求るに所なし」

おち‐おち【落落】

〘副〙 (下に「と」を伴う場合、また、打消の語がくる場合が多い) 落ち着いているさまを表わす語。安らかに。安心して。
※雑俳・柳多留‐九(1774)「江戸へ出ておちおちと寝るさらし売り」
※銀の匙(1913‐15)〈中勘助〉前「夜も昼もおちおち眠らないもので」

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普及版 字通 「落落」の読み・字形・画数・意味

【落落】らくらく

さびしいさま。志大きく、その志をえないさま。宋・文天祥〔零丁洋を過(よぎ)る〕詩 辛、一經よりる 干戈(かんくわ)たり、四

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