精選版 日本国語大辞典 「落込」の意味・読み・例文・類語
おち‐こ・む【落込】
〘自マ五(四)〙
① 落ちて低い所や物の中にはいる。はまる。
② 深くくぼむ。一段と低くなる。
③ よくない状態になる。
(イ) ある程度より低い状態になる。
(ロ) 心を奪われて動きのとれない状態になる。おちいる。「危険におちこむ」
※にごりえ(1895)〈樋口一葉〉四「二葉やのお角に心から落込んで、かけ先を残らず使ひ込み」
④ 自然に手にはいる。
⑤ 納得する。わかる。
⑥ 気持が暗くなる。気分の沈んだ状態になる。
おとし‐こ・む【落込】
〘他マ五(四)〙
① 落下させて、ある物の内に入れる。
② めりこむようにする。
③ はかりごとや罪におとしいれる。他人をあざむいておとしいれる。はかる。〔詞葉新雅(1792)〕
④ ある好ましくない状態に引き入れる。おとしいれる。
おち‐こみ【落込】
〘名〙
① 落ちて他のものの中に入ること。
② 一定の水準より程度が低いこと。落ちくぼんでいること。「景気の落ち込み」
③ 気持が沈むこと。
④ 夏季、浅いところにいた魚が、秋の末ごろから川の淵、または海の深いところへ移動して行くこと。また、その魚。
⑤ 和船の舵の身木(みき)の部分名称。床船梁の鷲口(わしぐち)にはめ込む所をいい、舵を左右にまわすときの支点となる箇所。おちつまり。〔和漢船用集(1766)〕
⑥ (「おち」は最後の意) 芸人が寄席(よせ)などに掛け持ちで出ているとき、その日の最終の席をいう。
おとし‐こみ【落込】
〘名〙 日本画の彩色法の一種。輪郭の線を描かないで花鳥画を描き、それがまだ完全に乾かないうちに、金銀泥、緑青などを加える方法。
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報