(読み)マブシ

デジタル大辞泉 「蔟」の意味・読み・例文・類語

ま‐ぶし【×蔟/蚕簿】

蚕が繭を作るときの足場にするもの。ボール紙などを井桁いげたに組んで区画したものが用いられ、一区画に一つの繭を作らせる。ぞく。

ぞく【×蔟/×簇】

まぶし(蔟)

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関連語 まぶし 名詞

精選版 日本国語大辞典 「蔟」の意味・読み・例文・類語

ま‐ぶし【蔟・蚕簿】

  1. 〘 名詞 〙 蚕に繭を形成させるのに都合がよいように作った蚕具わら針金割竹などで波形にしたもの、わらと割竹で網目状にしたもの、板紙で区切ったものなど。蚕は、糸を吐いてこれにからげ、しだいに繭をつくる。えびら。《 季語・夏 》 〔幼学読本(1887)〕

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「蔟」の意味・わかりやすい解説


まぶし

熟蚕に繭をつくらせる蚕具。よい蔟の条件には,繭をつくる適当な場所がたくさんあり,安くてじょうぶなこと,貯蔵に場所をとらず,材料吸湿性が適度で繭糸のほぐれを悪くしないこと,上蔟や収繭労力をとらずこも抜き作業が簡単にできることなどがあげられる。日本の蔟の種類は約 300あるが,現在最もすぐれたものとして普及しているのは,ボール紙製の区画された回転蔟である。蚕座に蔟を載せておくと自然に熟蚕が入る自然上蔟用の蔟も考案されている。材料,構造は繭の性質に大きな影響を与え,解舒屑繭同功繭などの多少にも関係が深い。

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