解舒(読み)カイジョ(英語表記)reelability (of cocoon)

デジタル大辞泉 「解舒」の意味・読み・例文・類語

かい‐じょ【解×舒】

繭から生糸を繰り取る際の、繭糸のほぐれぐあい。品質などに影響する。

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精選版 日本国語大辞典 「解舒」の意味・読み・例文・類語

かい‐じょ【解舒】

〘名〙 繭から生糸をつくる際の繭糸のほぐれ状態。この良否は繰糸能率や生糸の品質に影響を与える。

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改訂新版 世界大百科事典 「解舒」の意味・わかりやすい解説

解舒 (かいじょ)
reelability (of cocoon)

繰糸を行うとき繭層から繭糸が解離される状態のことをいう。一般にその良否は解舒率をもって表すが,解舒糸長,解舒糸量,対1粒落緒回数などの表し方もある(落緒とは繰糸中の繭の糸口が切れること)。解舒率は繭糸が繰糸の途中で切断した回数の多少を表すもので,一定粒数の繰糸を行った際の接緒回数で繰糸粒数を除し100を乗じて求める(接緒とは落緒を生じた場合などに新たに別の繭を補充するためにその繭の糸口をつけること)。1粒あたりの平均落緒回数の逆数に100を乗じたものに等しい。解舒率は荷口によってばらつきがあるが,平均は70%前後である。解舒を左右する要因は,蚕品種,飼育条件,作柄,製糸条件などがあげられるが,なかでもとくにカイコが吐糸営繭を行う上蔟(じようぞく)時期の気象条件や蔟中保護のいかんの影響を最も強く受けるといわれる。繭糸を解舒させるには,繭層を構成する繭糸相互を膠着させているセリシン熱水蒸気などで適度に膨潤軟和させなければならないが,これを煮繭という。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「解舒」の意味・わかりやすい解説

解舒
かいじょ
reelability

繰糸する際に繭層から繭糸が解離する状態をいう。その良否は繰糸工程や生糸の品質・糸歩に関係が深いので,解舒率として原料繭の格づけの重要項目の一つになっている。繭解舒は蚕品種,飼育条件,蔟中保護および繭の取扱いなどによって異なるが,特に蔟中の吐糸営繭環境が,高温多湿・無風状態のとき著しく悪くなる。

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