繰糸を行うとき繭層から繭糸が解離される状態のことをいう。一般にその良否は解舒率をもって表すが,解舒糸長,解舒糸量,対1粒落緒回数などの表し方もある(落緒とは繰糸中の繭の糸口が切れること)。解舒率は繭糸が繰糸の途中で切断した回数の多少を表すもので,一定粒数の繰糸を行った際の接緒回数で繰糸粒数を除し100を乗じて求める(接緒とは落緒を生じた場合などに新たに別の繭を補充するためにその繭の糸口をつけること)。1粒あたりの平均落緒回数の逆数に100を乗じたものに等しい。解舒率は荷口によってばらつきがあるが,平均は70%前後である。解舒を左右する要因は,蚕品種,飼育条件,作柄,製糸条件などがあげられるが,なかでもとくにカイコが吐糸営繭を行う上蔟(じようぞく)時期の気象条件や蔟中保護のいかんの影響を最も強く受けるといわれる。繭糸を解舒させるには,繭層を構成する繭糸相互を膠着させているセリシンを熱水,蒸気などで適度に膨潤軟和させなければならないが,これを煮繭という。
執筆者:小河原 貞二
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
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