蔵法師(読み)クラボウシ

デジタル大辞泉 「蔵法師」の意味・読み・例文・類語

くら‐ぼうし〔‐ボフシ〕【蔵法師】

戦国大名もとで蔵を預かり、米穀などの出納をつかさどった僧形の者。蔵衆くらしゅう
江戸時代江戸深川本所などにあった倉庫番人

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精選版 日本国語大辞典 「蔵法師」の意味・読み・例文・類語

くら‐ぼうし‥ボフシ【蔵法師・倉法師】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 中世の土倉経営者。高利貸業者。京都では延暦寺の山僧が大規模な活動を行なうことが多く、山法師、土蔵法師、土蔵坊主ともよばれた。また特に、室町時代、公方御倉の中で、僧形の者をいう。〔随筆・貞丈雑記(1784頃)〕
  3. 戦国大名のもとで蔵を預かり、米穀などの出納をつかさどった僧形の者。蔵衆(くらしゅう)。〔甲陽軍鑑(17C初)〕
  4. 江戸時代、江戸の深川・本所などに多くあった倉庫の番人。倉庫の所有者の委託によって倉庫の近くに注み、倉庫内の貨物の管理・出納などの実務をつかさどった者。
    1. [初出の実例]「月のはらひの日記そろはん 冷しき民も随ふ蔵ほうし」(出典:俳諧・望一後千句(1652)一)

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