薬園場(読み)やくえんば

日本歴史地名大系 「薬園場」の解説

薬園場
やくえんば

[現在地名]盛岡市愛宕

した小路北詰の北西側にあり、北西に愛宕あたご山を背負い、北東山岸やまぎし町に接する。現在の盛岡市中央公民館敷地一帯にあたる。盛岡藩四代藩主南部重信の代に、世子行信がこの地へ薬草を植えさせたので御薬園というようになったとされる。正徳五年(一七一五)下小路の屋敷を用地に召上げ、御殿・御茶屋等を建築し、八代藩主南部利視の代に大規模な造園が行われた(盛岡砂子)。内史略本「盛岡砂子」には「利視公御代、御手入有りて花麗の場広に被成しとそ、御栽前の異樹、奇石いはん方なく、取分け夏日の納涼、又秋は高尾の楓霜に染て、一入絶景の勝地とそ、猥りに平人の見ることを不許れは、委敷は記すこと不能」とあり、園内の泉水は「利視公御自ら御山装束にて日々被為入、諸士の二三男を被集て御掘せ被成し由聞伝ふ」と記される。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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