コトバンクはYahoo!辞書と技術提携しています。

南部氏 なんぶうじ

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

南部氏
なんぶうじ

陸奥の豪族。清和源氏甲斐国南巨摩郡南部村から興った。光行が,文治5 (1189) 年源頼朝の奥州平定に戦功あって,奥州の5郡 (九戸など) を給与され,本領の名にちなんで南部を称した。南北朝時代にはおもに南朝方に属した。のち信直は,天正 14 (1586) 年豊臣秀吉に所領を安堵され,陸奥三戸城主となり,翌年九戸政実討伐後に加増されて 10万石を領有し,九戸城を改築してここに移った。子利直は三戸城におかれたが,慶長3 (98) 年岩手郡盛岡城を築いてここに移り,翌年には南部 10郡を継ぎ,翌5年の関ヶ原の戦いには徳川方に属して所領を安堵された (→盛岡藩 ) 。文化5 (1808) 年松前警備のため 20万石に加増され,戊辰戦争には会津方に加わった。明治に伯爵。支藩八戸藩 (1664分封) ,七戸藩 (1819分封) があり,ともに藩主南部氏は明治に子爵となる。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

世界大百科事典 第2版の解説

なんぶうじ【南部氏】

中世の陸奥国糠部(ぬかのぶ)郡(岩手県北部から青森県東部一帯の地域)の豪族,近世の盛岡藩主。新羅三郎源義光の子孫で,甲斐源氏の加賀美遠光の子,南部三郎光行にはじまる。その名字の地は甲斐国の南部郷(山梨県南巨摩郡南部町)で,法華宗の開祖日蓮を甲斐国の身延山に招き,その世話をした波木井(はきい)殿,南部実長(日円)はその一族である。1189年(文治5)の源頼朝の奥州遠征に従軍した功によって糠部郡を与えられ,甲斐国から移住したと伝えるが,信じがたい。

出典 株式会社日立ソリューションズ・クリエイト世界大百科事典 第2版について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

南部氏
なんぶうじ

鎌倉幕府草創期に成立した武士団。清和源氏(せいわげんじ)加賀美遠光(かがみとおみつ)の第3子光行(みつゆき)を祖とし、甲斐国(かいのくに)南部郷(山梨県南部町)を名字(みょうじ)の地とする。東国御家人(ごけにん)として陸奥(むつ)、但馬(たじま)など各国に所領を獲得し、鎌倉末期には北条氏被官ともなる。建武(けんむ)政権下の陸奥国府から師行(もろゆき)が北奥羽の奉行(ぶぎょう)に抜擢(ばってき)されて、糠部(ぬかのぶ)郡八戸根城(はちのへねじょう)(青森県八戸市)に拠(よ)り、奥州南部氏の基盤を確立した。室町・戦国時代には、三戸(さんのへ)南部氏が中心となって、北奥羽全域に勢力を広げ、秋田、浅利、小野寺各勢力と鎬(しのぎ)を削った。豊臣秀吉(とよとみひでよし)の奥州仕置の際、信直(のぶなお)は糠部、岩手、鹿角(かづの)、紫波(しば)、閉伊(へい)、稗貫(ひえぬき)、和賀(わが)7郡の知行(ちぎょう)を安堵(あんど)され、九戸政実(くのへまさざね)の乱を鎮め、さらに徳川家に属して、盛岡藩祖となった。[遠藤 巌]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

世界大百科事典内の南部氏の言及

【糠部】より

… 鎌倉時代の糠部郡の地頭は北条氏であるが,その内部の一戸~九戸には,工藤,横溝,合田などの北条氏の家臣が地頭代に任命されていた。南北朝時代以後の糠部郡は南部氏の所領となり,三戸・八戸・九戸など戸を名字とする南部一族が割拠していたが,16世紀末豊臣政権の奥州仕置の中で三戸南部氏による統一が行われ,それとともに糠部郡という呼称も失われた。【大石 直正】。…

【陸奥国】より

…伊達勢力の北辺に位置する葛西,大崎両氏は葛西七郡,大崎五郡を領する大勢力であったが,最後まで家中の統制に苦しみ,最終的には伊達氏の従属下に入って,秀吉の奥羽仕置による取りつぶしのうき目にあう。 一方北奥では最後まで一族一揆的な状態がつづき,南部氏の場合も一戸(いちのへ)から九戸までの一族諸氏が割拠的に分立,連合していた。その中で大浦(津軽)為信が戦国末ぎりぎりのところで下剋上に成功,南部から独立して,90年秀吉から津軽一郡を安堵される。…

※「南部氏」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社日立ソリューションズ・クリエイト世界大百科事典 第2版について | 情報

南部氏の関連キーワード青森県三戸郡三戸町青森県三戸郡南部町遠野城下町資料館盛岡八幡宮櫛引八幡宮西根[町]久保田礼斎波木井実長聖寿寺館跡遠野[市]花巻[市]八戸[市]外様大名浅瀬石城南部姫毬高水寺城南部煎餅大光寺城むかひ鶴八戸根城

今日のキーワード

いい夫婦の日

11月22日。通商産業省(現経済産業省)が制定。パートナーへの感謝の意を示し、絆を深める。...

続きを読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android

南部氏の関連情報