藤倉城跡(読み)ふじくらじようあと

日本歴史地名大系 「藤倉城跡」の解説

藤倉城跡
ふじくらじようあと

[現在地名]那智勝浦町川関

那智川右岸の標高八一メートルの藤倉山山頂部に築かれた本城と、南の尾根上と南西部尾根上に築かれた二つの支城、麓の谷部に七段に造成した館部からなる戦国時代末期の大規模な城館跡。平成一一年(一九九九)に発掘調査されたが、現在は道路工事によって大部分が削平されている。

本城は急峻な尾根上に築かれており、規模は南北約一〇〇メートル・東西約四〇メートルで、中央部には大規模な堀切が掘削され、南北に分割されている。堀切から切出した石材で、石垣と石塁を築いている。南部からの進入路は歩行困難な屏風のように切立った岩盤で、内側には竪堀を掘削し、横に巨石を配している。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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