藤原定輔(読み)ふじわらのさだすけ

朝日日本歴史人物事典 「藤原定輔」の解説

藤原定輔

没年:安貞1.7.9(1227.8.22)
生年:長寛1(1163)
鎌倉初期の公卿。後鳥羽上皇,順徳天皇の琵琶の師。中納言藤原親信の長男。母は官仕の半物の阿古丸(一説遊女という)。本名親輔。承安2(1172)年に叙爵,右馬頭,内蔵頭などを経て建久2(1191)年従三位,正治2(1200)年参議,承元3(1209)年権大納言に上る。詩歌,鞠,琵琶,催馬楽などの諸芸にすぐれ,中でも琵琶を妙音院藤原師長に学んで後鳥羽上皇と順徳天皇に秘曲を伝授し,その師となる。但し同世代の藤原定家は『明月記』の中で,その本性讒言をもっぱらにし,謀りごとによって2代の琵琶の師になったと酷評する。承久の乱(1221)後出仕を止められ,貞応2(1223)年に出家した。

(土谷恵)

出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「藤原定輔」の解説

藤原定輔 ふじわらの-さだすけ

1163-1227 鎌倉時代の公卿(くぎょう)。
長寛元年生まれ。藤原親信(ちかのぶ)の長男。正治(しょうじ)2年(1200)参議となり,のち権(ごんの)大納言,大宰権帥(だざいのごんのそち)。正二位にいたる。後白河上皇院司,七条院別当もつとめる。琵琶(びわ)を藤原師長(もろなが)にまなび,後鳥羽(ごとば)上皇,順徳天皇の師となる。詩歌,蹴鞠(けまり)など諸芸にすぐれた。嘉禄(かろく)3年7月9日死去。65歳。号は二条。

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