朝日日本歴史人物事典 「藤原敦基」の解説
藤原敦基
生年:永承1(1046)
平安時代後期の学者,漢詩人。藤原式家を一代で学者の家とした明衡の子。後三条,白河両天皇(上皇)に仕え,大江匡房と並ぶ大学者になったが,官位には恵まれずに終わった。漢詩文の作品は『本朝続文粋』『朝野群載』『本朝無題詩』などに収められている。また,まとまって現存しないが『国後抄』(六国史の抄出),『柱下類林』(柱下は内記という朝廷の記録や詔勅草案づくりなどを担当する役職のこと)といった著作もあり,博学ぶりと後進の育成に努めた教育者ぶりとがうかがえる。<参考文献>大曾根章介「藤原敦基論」(『日本文学の視点と諸相』)
(堀川貴司)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報