藤原高遠(読み)ふじわらのたかとお

朝日日本歴史人物事典 「藤原高遠」の解説

藤原高遠

没年:長和2.5(1013)
生年天暦3(949)
平安時代の歌人。大弐高遠ともいう。藤原斉敏と播磨守藤原尹文の娘の子。弟に実資,従兄弟に佐理,公任がいる。中古三十六歌仙のひとり。その伝によると極官は正三位大宰大弐。笛の名手でもあり『枕草子』などに一条天皇の笛の師であったと記されている。『拾遺集』以下の勅撰集に27首入集。家集に『大弐高遠集』があり,花山法皇や公任,宮廷女房との贈答歌はじめ屏風歌,月次歌,『長恨歌』や『上陽白髪人』の詩句を題にした歌,大宰府往復の折の長歌など,多種多様な歌が収められている。菊の宴の折,10人の女房達が次々と詠みかけたのに対し,即座に各々に返歌するなど非凡な歌才を持つ風流士であった。

(中周子)

出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「藤原高遠」の解説

藤原高遠 ふじわらの-たかとお

949-1013 平安時代中期の公卿(くぎょう),歌人。
天暦(てんりゃく)3年生まれ。藤原斉敏(ただとし)の子。藤原実資(さねすけ)の同母兄。大宰大弐(だざいのだいに),正三位となったが,寛弘(かんこう)6年(1009)筑後(ちくご)国守の訴えで解任された。中古三十六歌仙のひとりで,「拾遺和歌集」以下の勅撰集に27首。一条天皇の笛の師。長和2年5月死去。65歳。家集に「大弐高遠集」。
格言など】打なびき春はきにけり青柳のかげふむ道に人のやすらふ(「新古今和歌集」)

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

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