ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「藤林普山」の意味・わかりやすい解説
藤林普山
ふじばやしふざん
[没]天保7(1836).1.14. 京都
江戸時代後期の蘭学者,医師。名は紀元,字は君諧,通称が泰介 (泰助) ,淳道。号が普山および筒城。寛政8 (1796) 年京都に出て医学を学んだ際に稲村三伯の蘭和辞書『波留麻和解』を購入し,帰郷して蘭学を 10年間独学した。文化3 (1806) 年,稲村に師事し,『波留麻和解』を抜粋訂正した辞書『訳鍵』を出版 (文化7) ,ほかに『和蘭語法解』『和蘭薬性弁』『西医方選』『物理本源』などの訳著を残す。また,同6年には京都で開業し,天保1 (30) 年に有栖川宮の医員となった。門人に伊藤圭介,竹内玄同がいる。
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