藤永元作(読み)フジナガ モトサク

20世紀日本人名事典 「藤永元作」の解説

藤永 元作
フジナガ モトサク

昭和期の水産学者 元・水産庁調査研究部長;藤永くるまえび研究所理事長。



生年
明治36(1903)年1月16日

没年
昭和48(1973)年9月12日

出生地
山口県萩市

学歴〔年〕
東京帝大農学部水産学科〔昭和8年〕卒

学位〔年〕
農学博士〔昭和18年〕

主な受賞名〔年〕
日本農学賞〔昭和18年〕,紫綬褒章〔昭和38年〕

経歴
共同漁業(後の日本水産)早鞆水産研究所に入り、日本水産研究所長。昭和24年水産庁調査研究部長。東海、日本海、南海、淡水各区水産研究所長を兼務した。この間、天草瀬戸内海などでクルマエビ生態研究に専念人工孵化に成功、18年論文「クルマエビの生殖と変態と飼育」で農学博士。同年日本農学会から日本農学賞が贈られた。また千葉県に自費で研究室を作り、クルマエビの研究を続け、34年くるまえび養殖株式会社を設立、高松市の塩田跡に養殖場を造った。同時に漁民に養殖を奨励した。38年紫綬褒章を受け、日本くるまえび養殖協会会長を務め、43年藤永くるまえび研究所(山口市)理事長となった。著書に「土と水と生命」「浅海完全養殖」などがある。

出典 日外アソシエーツ「20世紀日本人名事典」(2004年刊)20世紀日本人名事典について 情報

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「藤永元作」の解説

藤永元作 ふじなが-もとさく

1903-1973 昭和時代の水産学者。
明治36年1月16日生まれ。日本水産研究所長をへて,昭和24年水産庁調査研究部初代部長。クルマエビの生態を研究,その養殖技術の基礎をきずく。34年エビ養殖会社を設立して社長。日本くるまえび養殖協会会長。昭和48年9月12日死去。70歳。山口県出身。東京帝大卒。著作に「土と水と生命」。

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

367日誕生日大事典 「藤永元作」の解説

藤永 元作 (ふじなが もとさく)

生年月日:1903年1月16日
昭和時代の水産学者。水産庁調査研究部長;藤永くるまえび研究所理事長
1973年没

出典 日外アソシエーツ「367日誕生日大事典」367日誕生日大事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内の藤永元作の言及

【養殖】より

…ブリ養殖はモジャコと呼ばれる天然種苗を使って行われているが,天然種苗を大量に確保することの困難なタイ類の養殖が始まったのはブリ養殖よりさらに遅れ,人工種苗の生産技術の確立した65年以降である。 クルマエビは最も商品価値の高い水産生物であるが,養殖できるようになったのは藤永元作の研究に負うところが大きい。彼は第2次大戦前にすでに孵化幼生から成エビまでの飼育実験に成功していたが,1960年に事業規模での養殖を香川県下の廃止塩田を利用して始めた。…

※「藤永元作」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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