ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「藤田喬平」の意味・わかりやすい解説
藤田喬平
ふじたきょうへい
[没]2004.9.18. 千葉
ガラス工芸家。日本のガラス工芸の第一人者。1944年東京美術学校工芸科彫金部を卒業。1946年日展で鉄のオブジェ『波』が初入選。ガラス工芸に魅了され 1947年に岩田工芸硝子に入社したが 1年半で退社し,独立。1977年にイタリアのベネチアを訪れたのを機に,色ガラスの技法を学ぶ(→ベネチア・ガラス)。色ガラスに金箔やプラチナ箔を混ぜた飾筥(かざりばこ)で注目を集め,「現代の琳派」といわれた。独自のガラス工芸の分野を確立し,日本の装飾的な伝統美を現代的に表現した作品は国際的にも高く評価され,2001年コペンハーゲン装飾美術館で個展が開催された。オブジェ作品も数多く手がけた。1976~2003年日本ガラス工芸協会会長。1989年日本芸術院賞恩賜賞を受賞,同年日本芸術院会員,1997年文化功労者に選ばれ,2002年文化勲章を受章。1996年宮城県松島町に藤田喬平ガラス美術館が開館した。
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