蘇悉地経(読み)ソシツジキョウ

デジタル大辞泉 「蘇悉地経」の意味・読み・例文・類語

そしつじきょう〔ソシツヂキヤウ〕【蘇悉地経】

経典の一。3巻。善無畏訳。密教聖典で、真言三部経の一。息災増益ぞうやく調伏ちょうぶくの3種の護摩法灌頂かんじょう法、供養法などを説く。蘇悉地羯羅そしつじから経。

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共同通信ニュース用語解説 「蘇悉地経」の解説

蘇悉地経

蘇悉地経そしつじきょう 空海が唐から持ち帰った胎蔵たいぞう(大日経)、金剛界(金剛頂経)の両部に加え、その後入唐した円仁ら天台僧が重要視した密教経典。

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精選版 日本国語大辞典 「蘇悉地経」の意味・読み・例文・類語

そしつじ‐きょうソシツヂキャウ【蘇悉地経】

  1. そしつじからきょう(蘇悉地羯羅経)」の略。
    1. [初出の実例]「大日経・金剛頂経・蘇悉地経、此三部の秘法をうけさせ給ひて」(出典:平家物語(13C前)二)

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「蘇悉地経」の意味・わかりやすい解説

蘇悉地経
そしつじきょう

『蘇悉地羯羅 (から) 経』の略。中国,唐代にインドから長安に来た善無畏によって訳出された密教三部経典の一つ。3巻,34品から構成され,真言の持誦,護摩の法を述べている。なお蘇悉地とはサンスクリット語 susiddhiの音写で,真言を称えることによって達しうる妙果を意味する。

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世界大百科事典(旧版)内の蘇悉地経の言及

【密教】より

…不空の弟子恵果は,従来別個の流れであった《大日経》系の密教(大悲胎蔵法)と《金剛頂経》系の密教(金剛界法)とを両部不二とみて一元化し,のちの真言密教の思想大系の基礎をつくった。9世紀には,前述した二つの経典に《蘇悉地(そしつじ)経》を加えた密教の体系が構成された。その後,中国では《大日経》系の密教が栄え,また,宋代には多くの密教経典が翻訳されたが,しだいに道教に主導的な地位を奪われていった。…

※「蘇悉地経」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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