秘法(読み)ヒホウ

デジタル大辞泉 「秘法」の意味・読み・例文・類語

ひ‐ほう【秘法】

(‐ハフ) 秘密の方法
(‐ホフ) 真言密教で行う、秘密の修法

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精選版 日本国語大辞典 「秘法」の意味・読み・例文・類語

ひ‐ほう【秘法】

〘名〙
[一] (:ハフ) 秘密の方法。また、ふしぎなやり方。〔日葡辞書(1603‐04)〕
※面白半分(1917)〈宮武外骨〉人事活断「拙者もそれを容易く見分ける秘法(ヒハフ)を心得て居ます」
[二] (:ホフ) 仏語。
広義には真言密教で行なう、護摩などの秘密の修法。
※参天台五台山記(1072‐73)四「従入道兵部卿親王学胎蔵金剛蘇悉地参部大法・護摩秘法
※保元(1220頃か)上「左府東三条に或僧をこめて秘法をおこなはせ」
狭義には、密教の修法を三類に分けるその一つ相伝によってその内容を異にするが、如法愛染・如法尊勝・転法輪・如意宝輪の四法を挙げるものはその一つ。
※栂尾明恵上人遺訓(1238)「愛染王五秘密等の秘法も次に覚えき」

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普及版 字通 「秘法」の読み・字形・画数・意味

【秘法】ひほう(はう)

秘密の法。〔池北偶談、談献一〕(方伯公、人に答ふる詩)一句に云ふ、予(われ)に問ふ何事ぞ容顏好きと 曾(かつ)て高人の祕法を受けて傳ふ 身心を打疊(だでふ)して一事無し ゑ來(きた)らばし、む時は眠ると。~按ずるに、ゑ來らば~は、乃ち傳灯、義禪師の語なり。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「秘法」の意味・わかりやすい解説

秘法
ひほう

密教で行う秘伝の修法(しゅほう)。密法ともいう。広義には顕教(けんぎょう)に対して密教の修法はすべて秘法である。狭義には秘密の修法で、祖師先徳がみだりに他に伝えない法。修法はその目的によって息災法増益(ぞうやく)法、降伏(ごうぶく)法、敬愛法、鉤召(こうしょう)法などに分類される。また修法の対象の本尊相違名称が異なり、修法の仕方で大法、秘法、普通法がある。

[宮坂宥勝]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「秘法」の意味・わかりやすい解説

秘法
ひほう

秘密の宗教行事。一般には密教で行う護摩や念誦のことをいう。また術語としては,大法,准大法,秘法,通途法の一つとして,蘇悉地法,五秘密法などの伝法をいう。

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