普及版 字通 「虞(漢字)」の読み・字形・画数・意味
虞
常用漢字 13画
(旧字)
13画
[字訓] はかる・おそれる・たのしむ
[説文解字]
[金文]
[字形] 形声
声符は(呉)(ご)。は祝の器((さい))を捧げて舞い祈る形。神を楽しませ、神意をやわらげることをいう。〔説文〕五上に「(すうぐ)なり。白虎、尾は身より長し。仁獸なり。自ら死せるのをす」とあり、〔詩、召南、虞〕にその徳を歌うが、想像上の聖獣である。〔周礼、地官〕に山虞・沢虞の職があり、山沢の狩猟を掌る。〔国語、晋語四〕に「(周の文王)其の位にくにび、に詢(はか)る」とあって、軍事を諮問するをいう。字が虎頭の形に従うのは、劇・戲(戯)が軍戯から出た字であるように、も軍礼や狩猟と関係があるのであろう。その予備儀礼として、神を楽しませる祝の儀礼が行われた。
[訓義]
1. はかる、おもんぱかる、神意にはかる。
2. おそれる、神威をおそれる、はばかる、おどろく。
3. たのしむ、やすんずる、神意をやわらげる。
4. 欺に通じ、あざむく。に通じ、さからう。誤に通じ、あやまる。
5. 埋葬後の魂まつり。
6. 虞、仁獣。
[古辞書の訓]
〔名義抄〕 タスク・ハバカル・モハラ・カマビスシ・ハカリゴト・ハカル・ツブサカ・タノシビ・ソナフ 〔字鏡集〕 ハカリゴト・イマシム・タノシブ・モハラ・ツブサニ・カマビスシ・アヤマル・シル・アシ・ノゾム・ハバカル・タスク・ハカル・ヤスシ・ソナフ
[声系]
〔説文〕に声としてを収める。は声。声の字と声義の通ずるものが多い。
[語系]
・(娯)ngiuaは同声。は巫女が祝告を捧げて舞う形。これによって神を娯しませる。軍礼・狩猟のとき、その祈りをなすことをという。
[熟語]
虞意▶・虞淵▶・虞夏▶・虞歓▶・虞姫▶・虞懼▶・虞兮▶・虞候▶・虞衡▶・虞祭▶・虞師▶・虞主▶・虞▶・虞庠▶・虞心▶・虞人▶・虞旌▶・虞泉▶・虞唐▶・虞殯▶・虞▶・虞門▶・虞楽▶・虞剌▶・虞吏▶・虞旅▶
[下接語]
嘉虞・外虞・艱虞・工虞・攻虞・山虞・獣虞・招虞・虞・唐虞・内虞・不虞・無虞・野虞・有虞・游虞・憂虞
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報