虫生岩戸村(読み)むしういわとむら

日本歴史地名大系 「虫生岩戸村」の解説

虫生岩戸村
むしういわとむら

[現在地名]上越市虫生岩戸

国分寺こくぶんじ村の西に位置し北陸道が通る。集落は海岸線に沿って細長く形成されている。海岸より約四キロの海上二ッ栗ふたつぐり岩があり、源義経が当地を通って奥州平泉へ潜行した頃には二ッ栗岩辺りが北陸道であったという。「義経記」巻七に「かくて岩戸の崎をも出で給ひて、越後国の府、直江津花園の観音堂といふところに著き給ふ」とみえる岩戸の崎は当地のこととされる。近世までは漁業を主とし、また湊があって郷津ごうづという。郷津を国府津転訛とみる説もある。郷津は戦国時代には春日山城の外港として大きな役割を果したとみられる。

江戸時代の中頃までは虫生村・岩戸村の二村で、正保国絵図に虫生村(高一六石余)岩殿村(無高)とがみえる。延宝七年(一六七九)の越州四郡高帳には虫生岩戸村とみえ高一六石四斗余、「此所船寄有之」とある。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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