上越市(読み)ジョウエツシ

デジタル大辞泉 「上越市」の意味・読み・例文・類語

じょうえつ‐し〔ジヤウヱツ‐〕【上越市】

上越

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日本歴史地名大系 「上越市」の解説

上越市
じようえつし

面積:二五一・七一平方キロ

県南西部に位置し北は日本海、東は中頸城なかくびき大潟おおがた町・頸城村・三和さんわ村・東頸城郡まき村、南は中頸城郡清里きよさと村・板倉いたくら町・新井市、西は西頸城郡名立なだち町。市域の東半は高田平野に属するが、西半は妙高みようこう山系頸城連山に連なる山地で、集落はわずかに海岸部と有間ありま(桑取川・中ノ俣川)流域、正善寺しようぜんじ川流域などに点在するにすぎない。市のほぼ中央部を矢代やしろ川を合したせき川が北流、途中青田あおた川・儀明ぎみよう川などを合せ、さらに河口近くで保倉ほくら川を合せて海に注ぐ。関川・保倉川は高田平野の灌漑・排水の二大動脈であり、また関川には多数の発電所が開発されて上越市の電力をまかなっている。降水量は山寄りの地域で年平均三〇〇〇ミリ前後、一二月・一月は五〇〇ミリ、一一月・二月は三〇〇ミリを超えることが多く、積雪は平年で一メートル五〇センチ前後。気温は年平均約一三度、八月が最も高くて平均約二六度、二月が最も低く平均一・三度前後。海岸寄りの地域は降雪量は少ないが、冬の季節風は強い。秋の多雨と豪雪は歴史・生活などに多大な影響を与えている。上越市は昭和四六年(一九七一)直江津なおえつ市と高田たかだ市が合併して成立。市名は古来、越後を京都に近い方から上越・中越・下越に分けたが、当市域は上越地方の中心であったことから命名された。全市域、律令制以来の頸城郡に属した。

〔原始〕

西部山中のなかまた、山麓地帯の向橋むかばし滝寺たきでら山屋敷やまやしき、西部の海岸から山地にかけての丹原たんばら茶屋ちややはらなべうら、有間川を少し内陸に入った高住たかすみ、同川上流の桑取くわとり地区などで縄文時代中期・後期の土器や石器類が出土・採集されている。なかでも山屋敷遺跡からは中期前葉から後葉にかけての住居跡五五基が検出された。遺物のうち中期前半に属するものは、石川県の上山田式土器に類似しており、北陸的様相を示す。これに対し後半のものは宮城県しちはま大木だいぎ貝塚出土の土器に類似する。これらのことから中期の文化は、長岡市の馬高各式の影響を受けず、北陸的要素から直接東北地方の文化圏に組込まれたと考えられる。弥生時代の遺物は南部の今泉いまいずみや海岸に近い有田ありた地区などで、磨製石器・玉類などがわずかに発見されているにすぎなく、当地方は弥生文化が展開しないまま古墳時代に入ったと思われる。古墳は関川左岸の山麓地帯に灰塚はいづか黒田くろだ南山みなみやま稲荷山いなりやまの各古墳群があり、関川右岸には高士たかし北方きたがたの両古墳群があった。これら古墳の調査で土師器・須恵器などの遺物が発見されており、古墳築造は古墳時代後期の七世紀頃と推定されている。


上越市
じようえつし

2005年1月1日:上越市が西頸城郡名立町、中頸城郡中郷村・板倉町・清里村・三和村・頸城村・大潟町・柿崎町・吉川町、東頸城郡浦川原村・牧村・安塚町・大島村を編入
【名立町】新潟県:西頸城郡
【中郷村】新潟県:中頸城郡
【板倉町】新潟県:中頸城郡
【清里村】新潟県:中頸城郡
【三和村】新潟県:中頸城郡
【頸城村】新潟県:中頸城郡
【大潟町】新潟県:中頸城郡
【柿崎町】新潟県:中頸城郡
【吉川町】新潟県:中頸城郡
【上越市】新潟県
【浦川原村】新潟県:東頸城郡
【牧村】新潟県:東頸城郡
【安塚町】新潟県:東頸城郡
【大島村】新潟県:東頸城郡

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「上越市」の意味・わかりやすい解説

上越〔市〕
じょうえつ

新潟県南西部,日本海に面し,関川,保倉川下流域の高田平野と周囲の東頸城丘陵西頸城丘陵からなる市。日本有数の豪雪地帯で,丘陵部では雪崩や地すべりが多い。1971年高田市(1911市制)と直江津市(1954市制)が合体して成立。2005年安塚町,浦川原村,大島村,村,柿崎町,大潟町,頸城村,吉川町,中郷村,板倉町,清里村,三和村,名立町の 6町7村を編入。高田地区は慶長19(1614)年徳川家康の六男松平忠輝が入封して以来城下町として発展,江戸時代中期以降は榊原氏 15万石の城下町となった。第2次世界大戦中は軍都となり,戦後は県南西部の行政,教育,商業の中心地。直江津地区は古くから海港として知られ,化学肥料,ステンレス製品,アルミニウムなどを産する臨海工業地区として発展した。農業は平野部や丘陵部の棚田で米作が中心に行なわれる。またブドウなどを中心とする観光果樹園の開発,野菜栽培,畜産も盛ん。日本海に面する砂丘に点在する潟湖群はジュンサイの産地として知られる。砂丘地帯では第2次世界大戦後,石油・天然ガスの本格開発が進んだ(→頸城油田)。中心市街地周辺には工業団地が造成され,企業も積極的に誘致されている。開発の歴史は古く,多くの古墳,条里制遺構のほか,城跡,武家屋敷跡などが残る。中心市街地を見おろす春日山春日山城跡,高田平野南部の扇状地で発見された水科古墳群宮口古墳群は国指定史跡。浦川原にある虫川の大スギは国の天然記念物に指定されている。地形の変化に富んだ広い市域を擁し,北東部の柏崎市との境付近は佐渡弥彦米山国定公園および米山福浦八景県立自然公園に,西部は久比岐県立自然公園に,南部と東部の丘陵地は直峰松之山大池県立自然公園にそれぞれ属する。金谷山スキー場は日本のスキー発祥の地。JR北陸本線と信越本線の分岐点で交通の要地。国道8号線,18号線などが通り,北陸自動車道のインターチェンジがある。直江津港から佐渡島への定期航路が通じる。面積 973.89km2。人口 18万8047(2020)。

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