蛆虫(読み)うじむし

精選版 日本国語大辞典 「蛆虫」の意味・読み・例文・類語

うじ‐むし【蛆虫】

〘名〙
ハエアブ類などの幼虫総称体形円錐形紡錘形などで頭部が小さい。脚はないが尾を有するものがある。移動は体壁の蠕動(ぜんどう)運動によって行なう。腐敗物や汚物に発生し病原菌媒介をすることもある。種類によっては魚や鳥のえさに用いる。広く、ガやカブトムシの幼虫でハエ、アブの幼虫と形態が類似するものを含んでいうこともある。うじ。さし。《季・夏》
珊瑚集(1913)〈永井荷風訳〉死のよろこび「おお蛆虫よ。眼なく耳なき暗黒の友」
② (人間としての値打ちがない意で) 人を卑しめ、ののしっていう語。
※雑俳・柳多留‐一三三(1834)「うぢ虫と思ひ寄手へ屎をかけ」

うず‐むし【蛆虫】

〘名〙 (「うじむし(蛆虫)」の変化した語) 人をののしっていう語。
浄瑠璃・曾我七以呂波(1698頃)一「かく忠節の某をあのうづむし共めがそれ逆心と驚かせば」

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デジタル大辞泉 「蛆虫」の意味・読み・例文・類語

うじ‐むし【×蛆虫】

うじ
人間として扱う値打ちのないものの意で、人をののしっていう語。「この蛆虫どもめ」「蛆虫野郎」

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

普及版 字通 「蛆虫」の読み・字形・画数・意味

【蛆虫】しよちゆう

うじむし。〔後漢書、方術下、子訓伝〕驢車(ろしや)に駕し、~陽に(よぎ)り、人の舍に止(とど)まる。駕するの驢、忽然卒僵(そつきやう)し、蛆蟲出す。、遽(には)かに之れを白(まう)す。~し畢(をは)り、徐(おもむ)ろに出でて杖を以て之れを扣(たた)く。驢、聲に應じて奮し、行すること初めの如く、ち復(ま)たむ。

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