ハチの幼虫の意であるが,さなぎやかえりたての若バチをもいう。長野県などで昔から食用とされてきたもので,クロスズメバチ(ジバチ)を主とするが,オオスズメバチ,ミツバチ,アシナガバチなども用いられる。フライパンでからいりして塩をふったり,甘辛く煮つけて食べる。煮つけたものを炊きたての飯に混ぜるのが〈ハチの子飯〉で,伊那地方のザザムシ(トビケラなどの幼虫)などを含めた信州の昆虫食の中で最も美味とされる。ジバチ,ミツバチの子の缶詰があり,成分はタンパク質15.7g,脂質5.7g,糖質35.7g,鉄分6.7mg(いずれも100g中)などとなっている。
執筆者:平野 雄一郎
《医心方》では薬として虫魚類72種類中に〈蜂子〉が挙げられている。珍味とされているのはクロスズメバチの幼虫だが,薬にされるのは〈土蜂子〉(ツチバチの1種の幼虫)や〈大黄蜂子〉(キボシアシナガバチの幼虫)と,〈蜜蜂子〉(トウヨウミツバチの幼虫)である。隋王朝の女性たちは,ハチの子と人の乳汁を原料とした美顔剤を塗っていた。
執筆者:槇 佐知子
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…かつて駿河地方から生のアワビを運ぶために考案された料理で,保存性が高く,薄切りにして,からしじょうゆで食べることが多い。 ハチの子,ザザムシなど信州ではイナゴはもとより,ハチの子,ザザムシ,カイコのさなぎなどの昆虫をつくだ煮や空揚げなどにする。ハチの子はスズメバチやジバチの幼虫,ザザムシは伊那地方の名物で,天竜川でとるトビケラ,ヘビトンボなど水生昆虫の幼虫である。…
…はちみつを収納している房も蜜蠟(みつろう)として薬であった。ミツバチのほかジバチの幼虫やさなぎは〈ハチの子〉として長野県や岐阜県の山間では食用とした。その巣は民間薬として各種の出血や痛みを止めるのに用いられた。…
※「蜂の子」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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