① 甲殻類十脚目ザリガニ科のエビ。日本の特産種で、北海道・東北地方の谷川や水田などの石の下や穴の中にすむ。体長約六センチメートル。体は堅い外骨でおおわれ、頭胸甲は円筒形で先端は三角状に突き出る。カニのような大きな鋏肢(はさみあし)がある。卵は雌の腹部に付着したまま発生が進み、成体に近い形で孵化(ふか)し、そのまましばらくの間、親の腹部で保護される。肺吸虫(肺臓ジストマ)の中間宿主だが、焼いて食べる地方もある。胃の両側にあるカルシウムの塊の胃石は「オクリカンキリ」と呼ばれ、昔は眼病の薬や利尿剤とされた。和名は「いざりがに」の訛という。さるがに。えびがに。