(読み)かいふえ

精選版 日本国語大辞典 「蠡」の意味・読み・例文・類語

かい‐ふえかひ‥【蠡】

  1. 〘 名詞 〙ほらがい(法螺貝)」の異名。〔新訳華厳経音義私記(794)〕

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

普及版 字通 「蠡」の読み・字形・画数・意味


21画

[字音] レイ・ラ
[字訓] むしばむ・きくいむし・かい

[説文解字]

[字形] 会意
彖(たん)+(こん)。彖は虫くいのあとのような、めぐるさまをいう。〔説文十三下に「蟲の木中を齧(か)むなり」と木食い虫の意とし、彖声とするが、声が合わない。螺(さざえ)のような形の貝の名に用い、〔漢書、東方朔伝〕に「蠡を以てを測る」という語がある。〔広雅、釈魚〕に「蝸牛」の意とし、〔礼、春官、鬯人(ちやうじん)、注〕に「(へう)とは(こ)を謂ふ。蠡(れい)なり」とあって、その形状を以て名づける。〔爾雅、釈魚〕の(ら)字条の〔郭璞注〕に、大なるものは斗の如く、酒杯に用いるという。(から)は細腰大腹の土蜂。また廬(ほろ)という。蠡・・廬(ろ)はみな同系の語である。

[訓義]
1. むしばむ、むしくいのあと、はげる。
2. きくいむし。
3. かい、かたつぶり、にな、ほらがい。
4. ふくべ、ひさごを両分した形。

[古辞書の訓]
名義抄〕蠡 ハム 〔字鏡集〕蠡 アカキカヒ・カヒ

[語系]
蠡lyeiとはluaiと声義が近い。廬lia、lie、lyaiも声近く、蠡を両分したような形のものをいう。酒杯や水器に用いる。

[熟語]
蠡蠡・蠡蠡殻蠡器蠡牛蠡結蠡酌蠡勺蠡升蠡測・蠡
[下接語]
曲蠡・


14画

(異体字)蠡
21画

[字音] レイ
[字訓] ひさご

[説文解字]

[字形] 形声
声符は彖(れい)。正字は蠡に作り、〔説文〕十三下に「蟲の木中を齧(か)むなり」とあり、はその異文。字は蠡と別義。ひさごの意。

[訓義]
1. ひさご。
2. わりご。
3. 蠡の異文。

[熟語]

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