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血槍富士

世界大百科事典 第2版の解説

ちやりふじ【血槍富士】

内田吐夢(とむ)監督の時代劇映画(1955)。東映作品。大井川の川止めにあった宿場を舞台に,さまざまな人々の姿が,大金を所持する者や挙動不審の者をめぐる泥棒騒ぎ,女衒(ぜげん)に売られていく娘の身の上などの数々の挿話を通じていわゆる〈グランド・ホテル形式〉で描かれ,そのなかで,若殿を殺された槍持ちの権八が数名の侍を相手に闘い,仇討を果たすに至るさまをつづる。抑揚のきいた演出と権八役の片岡千恵蔵の名演とによって,前半,酒乱ながらも人のいい若殿に対する権八の思いやりがあたたかく描き出され,ラストは一転,えんえん長い凄絶(せいぜつ)な死闘のなか,槍をふるって闘う権八の憤怒が,下層の人間,追いつめられた者のエネルギーの爆発としてくりひろげられる。

出典 株式会社日立ソリューションズ・クリエイト世界大百科事典 第2版について 情報

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