日本大百科全書(ニッポニカ) 「血流計」の意味・わかりやすい解説
血流計
けつりゅうけい
blood flow meter
血管を流れている血液の流速、あるいは流量を測る装置をいう。動脈・静脈の狭窄(きょうさく)、閉塞(へいそく)による血流障害の診断や、心臓の機能検査などに用いられる。体表から血流を測るには、超音波血流計が用いられる。超音波血流計は、周波数2~10メガヘルツの超音波を、体表から、血流を測ろうとする血管に向けて送波し、血球で反射した波を受波して、ドップラー効果によって生じた周波数のずれ(ドップラーシフト)から、血流の速度を測る装置であり、頸(けい)動脈や末梢(まっしょう)の動脈・静脈の血流の検査に用いられる。心臓の拍出する血流量(心拍出量)を正確に測るには、静脈から肺動脈にカテーテルとよばれる細管を挿入し、少量の冷水を右心房に注入したときの肺動脈内の血液の温度変化から血流を計算する「熱希釈法」が用いられる。また、レーザー光のドップラー効果から組織を流れる血液を測るレーザードップラー血流計も、皮膚血流を測るときなどに用いられる。
[戸川達男]