行成紙(読み)コウゼイガミ

デジタル大辞泉 「行成紙」の意味・読み・例文・類語

こうぜい‐がみ〔カウゼイ‐〕【行成紙】

藤原行成筆の歌書料紙に似せてつくった紙。薄い鳥の子紙を薄黄色・萌葱もえぎなどに染め、雲母うんも細紋を型置きしたもの。江戸時代に流行し、詩歌の料紙、本の表紙などに使われた。

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精選版 日本国語大辞典 「行成紙」の意味・読み・例文・類語

こうぜい‐がみカウゼイ‥【行成紙】

  1. 〘 名詞 〙 ( 藤原行成筆の歌書の料紙をまねた紙 ) 黄色、萌葱(もえぎ)、ねずみ色などの薄い鳥の子紙の上に雲母模様を型置きした高級紙。詩歌の料紙、本の表紙などに使われた。縦一尺一寸五分(約三五センチメートル)、横一尺七寸四分(約五三センチメートル)という。
    1. [初出の実例]「詩を書くには〈略〉価(あたひ)の貴き品をいはば、貫之紙・行成紙最もよろし」(出典随筆・孔雀楼筆記(1768)二)

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「行成紙」の意味・わかりやすい解説

行成紙
こうぜいがみ

藤原行成(ゆきなり)(三蹟(さんせき)の一人)の筆になる歌書に用いられた紙に似せてつくった紙。薄い鳥の子紙(雁皮紙(がんぴし))を藍(あい)や黄などのさまざまな色に薄く、また美しく染色し、雲母(うんも)で細かい文様を型置きした加工和紙。この紙名は江戸時代の文献に頻出する。

[町田誠之]

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