衝撃検流計(読み)ショウゲキケンリュウケイ

デジタル大辞泉 「衝撃検流計」の意味・読み・例文・類語

しょうげき‐けんりゅうけい〔‐ケンリウケイ〕【衝撃検流計】

放電現象インパルス状の電流など、短時間に流れる電流の時間積分量(通過電気量)を計測する検流計弾動検流計

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「衝撃検流計」の意味・わかりやすい解説

衝撃検流計
しょうげきけんりゅうけい

可動コイルに瞬間的に流れる電気量(全電荷)を測る検流計。弾動検流計ともいう。可動コイル型検流計のコイルの横幅を大きくしたり、可動部におもりを取り付けたりして、慣性モーメントを大きくして可動部の振動周期を長くしたもの。

 可動コイルに瞬間電流を流すと衝撃的な駆動トルクが生じ、これによって可動部はゆっくりと回転を始めて減衰振動を生ずるが、その最初の振れの最大値が、コイルを通過した電気量(全電荷)、または検流計に加えられた電圧の積分値に比例する。これを利用してキャパシタンス(静電容量)のもつ電気量やインダクタンス磁束鎖交数の測定などに使われている。比例定数はそれぞれ電気量感度、磁束感度とよばれ、衝撃検流計の全回路抵抗との間には、
  電気量感度/磁束感度=全回路抵抗
の関係がある。

[高尾利治]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「衝撃検流計」の意味・わかりやすい解説

衝撃検流計
しょうげきけんりゅうけい
ballistic galvanometer

弾動検流計ともいう。瞬間的に流れる電気量を測定する計器で,可動コイル型計器の可動部の慣性モーメントを大きくし,振動周期を長く (普通約 20秒) した検流計。これに瞬間的な電流を通すと,可動部は衝撃力を受けるが,周期が長いので電気量が通り去ってからゆっくり回転を始め,コイルの吊り線の制御トルクと釣合うまで回転して,以後減衰振動する。最初の回転角は通過した電気量に比例する。探索コイルを接続すると磁束の測定ができる。

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世界大百科事典(旧版)内の衝撃検流計の言及

【検流計】より

…直流用には,その可動部分の構造により可動磁心形と可動コイル形があり,指示部分の構造により指針形と光てこを利用して感度を高めた反照形がある。交流用には,交流と可動部分の共振を利用した振動検流計,電荷測定には制動を減らして周期を長くした衝撃検流計がある。検流計の構造は,永久磁石の磁極間に可動コイルを細いつり線でつるしたもので,これに電流を流すと磁界と電流によって回転力が発生する。…

※「衝撃検流計」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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