袴能(読み)ハカマノウ

デジタル大辞泉 「袴能」の意味・読み・例文・類語

はかま‐のう【×袴能】

登場者が面・装束をつけず、紋服に袴のままで演じる能。 夏》「伯父といふこはき人あり―/時彦」→装束能

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精選版 日本国語大辞典 「袴能」の意味・読み・例文・類語

はかま‐のう【袴能】

  1. 〘 名詞 〙 能楽で、シテ、ワキなどすべての登場人物が、面、装束をつけないで、紋服に袴だけを着用して演じる能。暑中に行なわれることが多い。《 季語・夏 》
    1. [初出の実例]「涼しさの皆打扮や袴能」(出典:俳句稿〈正岡子規〉明治三五年(1902)夏)

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「袴能」の意味・わかりやすい解説

袴能
はかまのう

能の略式上演方式の一つ。能面能装束を用いず、紋服、袴姿のままで一番の能を演ずること。小道具作り物の類は普通の上演と同じに用いる。能面、能装束を汗で汚さぬための夏の催しの便法であり、すがすがしい情趣も好まれたが、能楽堂冷房装置がついて以来は、袴能の上演はまれになりつつある。なお、狂言では、装束を着けず袴のまま演ずることはまれである。

増田正造

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世界大百科事典(旧版)内の袴能の言及

【能】より


【奏演方式】
 能には,首尾完全な奏演方式のほかに,多くの省略方式があり,以下に示す。(1)袴能(はかまのう) 装束をつけずに紋服で演ずる。(2)半能(はんのう) 一曲の後場だけを演ずる。…

※「袴能」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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