裏付(読み)うらづけ

精選版 日本国語大辞典 「裏付」の意味・読み・例文・類語

うら‐づけ【裏付】

〘名〙 (「うらつけ」とも)
① 記載された事柄を証明するために文書に裏書きすること。
高野山文書‐乾元元年(1302)一二月二六日・藤内貞元田地売券「但於本券文者、依類地副之、所裏付也」
中世割符(さいふ)支払人支払期日を書くこと。
東寺百合文書‐る・永享七年(1435)最勝光院方評定引付「此割符廿日裏付致沙汰之間」
物事を他の面から確実にすること。また証明すること。また、確実にするもの。証明するもの。証拠
文学の根本問題(1958‐59)〈中島健蔵〉九「社会科学による裏づけを求めることによって」

うら‐つけ【裏付】

〘名〙 裏をつけること。また、裏をつけたものの総称
① 袷(あわせ)仕立ての衣服。うらつき。
浮世草子好色一代女(1686)三「うら付(ツケ)の上(かみ)に麻の袴を着るも有」
評判記色道大鏡(1678)一四遊山歩行に裏付をもちゐる女あり」

うら‐つき【裏付】

〘名〙
安愚楽鍋(1871‐72)〈仮名垣魯文〉二「はないろもめんのうらつき、がくうらとは見えず」
※歌舞伎・謎帯一寸徳兵衛(1811)中幕三度笠を抱へ、裏付きを後へ挟み」

うら‐づ・ける【裏付】

〘他カ下一〙 うらづ・く 〘他カ下二〙
① 裏をつける。裏打ちする。
② 物事を他の面から確実にする。また、証拠だてる。
近代劇に描かれたる離婚問題(1917)〈本間久雄〉「財産や法律的是認などを裏づけない恋愛に対しての」
※古典と現代文学(1955)〈山本健吉〉抒情詩の運命「一種の職業意識に裏づけられたものである」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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