補完貸付制度

朝日新聞掲載「キーワード」の解説

補完貸付制度

金融機関が日本銀行から担保の範囲内で資金を借りる制度。ロンバート型貸出制度とも呼ばれる。短期金融市場で調達が難しい場合などに利用する。01年3月から導入し、借入金利は公定歩合が適用される。短期金利が公定歩合を超えて上がるのを防ぐ効果がある。

(2006-07-15 朝日新聞 朝刊 1経済)

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

補完貸付制度
ほかんかしつけせいど

中央銀行が民間金融機関の要請に応じて、自動的に短期資金を貸し出す制度。金利上昇を防ぎ、市中に十分な資金を供給して金融システムを安定化する目的がある。貸出金利は公定歩合を適用する。ロンバート型貸付制度lombard lendingともよばれる。もともとドイツ連邦銀行が金融政策の柱の一つとして実施していた手形や債券を担保とする短期貸付制度で、ヨーロッパ中央銀行(ECB)などで採用され、日本でも日本銀行が2001年(平成13)3月から導入した。
 従来、日銀の貸出先や貸出額は、融資案件ごとに日銀が判断して決めていた。しかし補完貸付制度では、金融機関が日銀に差し出す担保(国債など)の範囲内であれば即座に融資を受けられる。通常、金融機関は短期資金が必要な場合、金融機関どうしで資金をやり取りするコール市場から調達しているが、金融危機などで資金の出し手が少なくなると、コール市場での調達が難しくなり、金利が上昇しかねない。補完貸付制度を利用すれば、担保さえあれば公定歩合という低利で資金調達が可能となり、金利上昇が防げる。
 日銀が無担保コール翌日物金利を金融政策の誘導目標にしてから、公定歩合は政策金利としての意味合いが薄れていたが、補完貸付制度の導入で、公定歩合は短期市場金利の上限を示すという新たな役割をもつようになった。アメリカでも連邦準備制度理事会が2003年に同様な制度を導入した。[編集部]

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