貸出金利(読み)カシダシキンリ

デジタル大辞泉 「貸出金利」の意味・読み・例文・類語

かしだし‐きんり【貸(し)出(し)金利】

銀行などの金融機関が、企業個人資金を貸し出すときの利息
[補説]企業の業績や個人の資産状況によって利率は異なる。通常年率で計算する。

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共同通信ニュース用語解説 「貸出金利」の解説

貸出金利

銀行や信用金庫などの金融機関が企業や個人にお金を貸し出す際の利息。優良企業に短期で融資する際の優遇金利短期プライムレート(短プラ)と呼ばれ、金融機関は短プラを基準に貸出先の信用力を考慮して企業向け融資の金利や住宅ローン変動金利を決める。日銀政策金利を引き上げると短プラも連動して上がるため、金融政策国民の暮らしに大きな影響を与える。

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改訂新版 世界大百科事典 「貸出金利」の意味・わかりやすい解説

貸出金利 (かしだしきんり)

銀行などの金融機関が顧客に貸出しを行う場合の利子率。その水準は,銀行の信用供与,企業の投資行動を通じ,経済活動全般に大きな影響を及ぼす。日本の現行法上は,利息制限法,〈出資の受入れ,預り金及び金利等の取締りに関する法律出資法)〉,臨時金利調整法により最高限度規制がなされている。しかし通常の企業向け貸出しについてみれば,諸規制中最低の臨時金利調整法にもとづく規制上限でも十分高い水準にあるため,事実上,法規制の存在が意識されることはない。実際には,市中銀行の短期貸出金利は,慣行上公定歩合に連動して動く短期プライム・レートを下限としつつ,貸出先の信用度等に応じて各銀行で具体的に決められている。短期プライム・レートは,1959年に標準金利制として導入されたものであり,旧来銀行間の申合せにより決定されていたが,独占禁止法との関連,金利自由化推進の見地から現在では各行が独自に決定することとなっている。これに対し期間1年以上の長期貸出金利は,長期信用銀行,信託銀行,保険会社の電力会社向け等に対する最優遇金利(長期プライム・レート)が基準金利の役割を果たしている。さらに借手企業にとっての現実の調達コスト,貸手金融機関にとっての現実の融資採算という視点にたつと,融資見返りの預金水準をも考慮した実効金利が意味をもつと考えられ,これに着目すれば,表面上の規制や慣行の存在から想定される以上に,貸出金利は貸出市場の需給に応じてかなり弾力的に変動しているのが実情である。なお個人に対する貸出金利については〈消費者金融〉〈サラリーマン金融〉の項目を参照されたい。
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世界大百科事典(旧版)内の貸出金利の言及

【金利】より

…(3)預金金利 金融機関への預金に対する金利で,臨時金利調整法の範囲内で日本銀行のガイドラインによって決定される方式であったが,1994年10月以降,当座預金を除いた預金金利の完全自由化にともない,日銀ガイドラインは事実上廃止された。(4)貸出金利 金融機関の貸出しに対する金利で,従来は銀行,信託銀行等の貸出金利には臨時金利調整法によって上限が存在したが,1979年以降しだいに緩和され,94年10月に金利規制は廃止された。(5)債券利回り 債券は額面価格と発行価格に差(発行差額)があることが多いので,表面金利に発行差額を加えたものと発行価格の比率である債券利回りによって金利を表す。…

※「貸出金利」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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