朝日日本歴史人物事典 「西ルイス」の解説
西ルイス
生年:生年不詳
近世初頭の貿易家。「類子」ともいう。霊名Luisの音をあてたもの。父西宗源,母妙信の長男。豊臣秀吉政権下では肥前大村藩士であったが,文禄年間(1592~96)に一族とともにルソン島マニラに移り,そこを基地に日本貿易を行った。ルイスとはクリスチャン・ネームであるが,信仰の程は不明。その間,慶長10(1605)年ルソン船が来航した折,ルソン側の通訳をした。同12年その特異な貿易活動が徳川家康の目にとまり駿府で謁見。海外事情を話し,来航許可朱印状を受けて活動を続けたが,家康との親交から同19年まで,日本に帰国,長崎を基地にルソンとの朱印船貿易を行った。元和年間(1615~24)堺に移り蓄積した財産で老後を過ごし,名も転向して西宗真と改めた。墓地は堺市本受寺。<参考文献>『堺市史』2・4・7巻,中田易直「南海の貿易商・西類子」(『歴史読本』1978年1月号)
(中田易直)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報