塩見政誠(読み)しおみまさなり

精選版 日本国語大辞典 「塩見政誠」の意味・読み・例文・類語

しおみ‐まさなり【塩見政誠】

江戸中期京都蒔絵師通称小兵衛。京都の人。研出蒔絵(とぎだしまきえ)を得意とし、精妙気品のある作風一家をなす。後世、その作品塩見蒔絵の名のもとにもてはやされた。代表作「比良山蒔絵硯箱」。正保三~享保四年(一六四六‐一七一九

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デジタル大辞泉 「塩見政誠」の意味・読み・例文・類語

しおみ‐まさなり〔しほみ‐〕【塩見政誠】

[1646~1719]江戸中期の蒔絵まきえ師。京都の人。落ち着いた気品のある研ぎ出し蒔絵は、「塩見蒔絵」と称されて高い評価を得た。

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朝日日本歴史人物事典 「塩見政誠」の解説

塩見政誠

生年生没年不詳
江戸中期の蒔絵師で通称は小兵衛。詳しい事績は不明だが,享保年間(1716~36)を中心に京都で活躍したとみられる。特に研出蒔絵の名手として知られ,多彩な蒔絵技巧の限りを尽くしながらも,抑制の利いた上品な作風を持ち味とした。代表作としては,硯の下に小さく「鹽見政誠」の朱漆銘が入った「比良山蒔絵硯箱」(東京国立博物館蔵)があげられる。なお,政誠の家系はその没後後進に受け継がれたらしく,江戸時代後期の制作と目される印籠などに「塩見政誠」「塩見政景」などの在銘品をみることができる。<参考文献>風俗絵巻図書刊行会編『蒔絵師伝・塗師伝』,稲葉通竜『装剣奇賞』

(小松大秀)

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「塩見政誠」の意味・わかりやすい解説

塩見政誠
しおみせいせい

[生]?
[没]享保4(1719).9.
江戸時代中期の京都の蒔絵師。蒔絵名家,春政の子。通称,小兵衛。研出 (とぎだし) 蒔絵にすぐれ,黒蒔絵や木地蒔絵も得意とし,のちにその作品は「塩見蒔絵」と称された。作品は箱物や印籠が多い。『比良山蒔絵硯箱』 (東京国立博物館) が代表作。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「塩見政誠」の意味・わかりやすい解説

塩見政誠
しおみまさなり
(1646―1719)

江戸中期の蒔絵師(まきえし)。京都の人。通称小兵衛。研出(とぎだし)蒔絵の名手とたたえられ、当時の装飾過剰な傾向と異なる落ち着いて気品のある作風の蒔絵は、「塩見蒔絵」とよばれて後世高い評価を得た。代表作『比良山蒔絵硯箱(ひらさんまきえすずりばこ)』(東京国立博物館)のほか、蒔絵印籠(いんろう)にも特色をよく表した優品がある。

[郷家忠臣]

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デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「塩見政誠」の解説

塩見政誠 しおみ-まさなり

1646-1719 江戸時代前期-中期の蒔絵(まきえ)師。
正保(しょうほ)3年生まれ。塩見春政の子という。京都の人。研出(とぎだし)蒔絵にすぐれた技をみせた。代表作は「比良山蒔絵硯箱」(東京国立博物館)。享保(きょうほう)4年9月死去。74歳。通称は小兵衛。

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世界大百科事典(旧版)内の塩見政誠の言及

【蒔絵】より

…この時代の先鋭化した技術は印籠のような小世界に向けられて活力を得,印籠は江戸後期の蒔絵を代表するものとなった。印籠蒔絵師として塩見政誠,飯塚桃葉,原羊遊斎(1772‐1845)らがおり,小川破笠も特異な作風で名をなした。蒔絵の新しい技法としては,卵殻による表現が注目されよう。…

※「塩見政誠」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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