見性成仏（読み）ケンショウジョウブツ

デジタル大辞泉

けんしょう‐じょうぶつ〔ケンシヤウジヤウブツ〕【見性成仏】

見性によって悟りを得ること。見性悟道。

出典　小学館

精選版 日本国語大辞典

けんしょう‐じょうぶつケンシャウジャウブツ【見性成仏】

1. 〘 名詞 〙 仏語。身に本来そなわる仏性を見抜いて、仏果をさとること。特に禅宗で用いる語。見性悟道。見性。
   1. [初出の実例]「又禅門には『直指人心(ぢきしにんしん)、見性成仏(けんしゃうじゃうぶつ)』と云へり。詞(ことば)に随て、性を見て仏とゑられたり」(出典：梵舜本沙石集（1283）三)

出典　精選版 日本国語大辞典

四字熟語を知る辞典

見性成仏

仏教で、身に本来そなわる仏としての本性を見抜いて、悟りを開くこと。

[使用例] 僕の自覚心と名づけるのは独仙君の方でいう、見性成仏とか、自己は天地と同一体だとかいう悟道の類ではない［夏目漱石＊吾輩は猫である｜1905～06］

[解説] 特に禅宗で用いる語。「見性」は、仏性を見る、すなわち仏となることができる性質を見抜くこと。

出典　四字熟語を知る辞典

百科事典マイペディア

見性成仏【けんしょうじょうぶつ】

如来知見とも。自己の本性を徹見して，その円満具足なるを悟って仏となること。禅宗の根本概念の一つ。自性を見るのは臨済禅，自性が現れると考えるのが曹洞禅。→見仏

出典　株式会社平凡社

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

見性成仏
けんしょうじょうぶつ

仏教用語。禅宗の根本精神を簡潔に表明した句。自分に本来そなわっている「仏となりうる性質」 (仏性) を発見して，悟りを開き，仏となること。ただちに迷いや疑いを去って，自己の本来の姿を悟り実現すること。

出典　ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典