デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「覚慶」の解説
覚慶(1) かくけい
延長6年生まれ。天台宗。比叡(ひえい)山の良源に師事して顕教・密教をまなぶ。応和3年(963)内裏でおこなわれた「応和の宗論」に師にしたがって参加,東大寺の法相(ほっそう)宗の法蔵と論戦した。長徳4年天台座主(ざす),長保2年大僧正に任じられた。長和3年11月23日死去。87歳。京都出身。号は東陽房。
…963年(応和3)に宮中で,天台・法相(ほつそう)両宗の学匠が一切成仏(いつさいじようぶつ)・二乗不成仏をめぐって行った論議をいう。村上天皇は,8月21日から25日までの5日10座,南都北嶺の高僧各10人を清涼殿に招き法華会を催したが,その第2日夕座(ゆうざ)に問者であった天台の覚慶は,一切すべてのものが成仏できると主張したのに対し,講師であった東大寺の法蔵が,成仏できるのは菩薩と不定(ふじよう)の一部に限定されると法相宗の立場から反論して論争となった。激論は第5日夕座に及び,成仏不成仏論では史上最大規模の宗論となったが勝敗は決せず,活躍した法相宗の仲算は恩賞を賜り,天台の良源は翌年内供奉十禅師の一員に列せられている。…
※「覚慶」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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