覚禅(読み)かくぜん

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「覚禅」の解説

覚禅 かくぜん

1143-? 平安後期-鎌倉時代の僧。
康治(こうじ)2年生まれ。勧修(かじゅう)寺の興然,醍醐(だいご)寺の勝賢師事。興然の影響をうけ,図像資料を収集。建暦(けんりゃく)3年(1213)のころまで醍醐寺,勧修寺,高野山などの資料を調査し,「覚禅鈔」をあらわした。字(あざな)は金胎房。通称は少納言阿闍梨。

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

朝日日本歴史人物事典 「覚禅」の解説

覚禅

没年:没年不詳(没年不詳)
生年:康治2(1143)
平安末から鎌倉初期の密教白描図像研究家。勧修寺興然や醍醐寺勝賢に師事。30年以上にわたって密教図像や典籍を収集し,密教図像集の中でも大著として知られる『覚禅抄』を編集。建暦3(1213)年までの活動が確認される。

(矢島新)

出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内の覚禅の言及

【覚禅抄】より

…真言宗の諸経法,諸尊法,灌頂などの作法に関する研究書。著者の金胎房覚禅は,勧修寺の興然,醍醐寺の勝賢などに師事した博学多聞の僧で,絵に巧みであった。鎌倉時代の前期は,密教の行法に関する知識の集成がさかんであったが,覚禅は数十年をかけて諸師の口伝を集め,膨大な典籍を調査して100余巻の書を著した。…

※「覚禅」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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