六訂版 家庭医学大全科 「角膜真菌症」の解説
角膜真菌症
かくまくしんきんしょう
Keratomycosis
(眼の病気)
どんな病気か
前項の
原因は何か
細菌性角膜炎と同様に、異物の飛入やコンタクトレンズが感染の原因になりますが、真菌の感染は、木の枝や稲穂などの植物で眼を突いた時に起こりやすいのが特徴です。
症状の現れ方
細菌の場合と同様、角膜に真菌が感染すると、眼の痛みと白目の充血を伴って視力が低下し、涙や目やにがかなりたくさん出ます。角膜に白いにごりがあるのが肉眼でわかることもしばしばあります。細菌と違って、このような状態になるのに日数がかかるのが真菌の特徴で、いったん症状が確立するとなかなか治りにくくなります。
細菌性角膜炎と同様に、通常は片眼性です。
検査と診断
角膜の悪くなっている部分をこすり取って、それを顕微鏡で調べたり培養したりして、真菌が感染していることを確認します。
この方法は細菌の場合とよく似ているので、通常は細菌と真菌について同じ材料(検体)をもとにして調べるのが一般的です。
治療の方法
細菌性角膜炎と同様、薬物で治らない場合や、強いにごりを残して治った場合は、角膜移植を行うことになります。
病気に気づいたらどうする
異物、とくに植物性のものが飛入した時は要注意ですが、細菌と比べて症状の発生が遅いので、単なる異物であると軽視せず、眼科を受診する必要があります。
関連項目
井上 幸次
出典 法研「六訂版 家庭医学大全科」六訂版 家庭医学大全科について 情報