記室(読み)キシツ

デジタル大辞泉 「記室」の意味・読み・例文・類語

き‐しつ【記室】

中国の官職名の一。後漢に置かれ、長官もと文章記録をつかさどった。
1を経由して差し上げる意》手紙相手を尊敬して、あて名の下につける語。

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精選版 日本国語大辞典 「記室」の意味・読み・例文・類語

き‐しつ【記室】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 中国の官名。後漢から唐にかけて置かれ、文筆、記録をつかさどる。現在の書記官秘書官。〔撮壌集(1454)〕〔後漢書‐百官志・一〕
  3. 手紙の宛名を敬って宛名の下につける言葉
    1. [初出の実例]「謹通尊門 記室」(出典万葉集(8C後)五・八一二・左注)

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普及版 字通 「記室」の読み・字形・画数・意味

【記室】きしつ

記録の官。後漢に置かれ、元以後廃す。〔三国志、魏、陳琳伝〕太竝(あは)せて(陳)琳・(阮)を以て司軍謀祭酒と爲し、記室を管せしむ。

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世界大百科事典(旧版)内の記室の言及

【書記】より

…中国では文字を扱う記録係の名称として史があり,天子の言動を記録する左史・右史や,歴史を書く史官を頂点に,各役所の長官=令に属する令史や書史などに分化していった。これらも広義の書記と関係するが,漢代では秘書官的な書記として記室の名称が一般的で,三公や大将軍の上奏,書記をつかさどる記室令史などの官があった。この掌書記という言葉が魏・晋以後官名化する。…

※「記室」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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