精選版 日本国語大辞典 「讃嘆」の意味・読み・例文・類語
さん‐たん【賛嘆・讚歎・讚嘆】
- 〘 名詞 〙
- ① ( ━する ) 感心してほめること。感嘆して称賛すること。
- ② ( 讚歎 ) ( 「さんだん」と濁る ) 仏語。
声明曲(しようみようきよく)の分類名。漢語讃,梵語讃に対して和語でつづった讃美曲をいう。単に讃というときは前2者を指し,この讃嘆は通常含まない。《法華讃嘆》と《舎利讃嘆》が有名である。前者は〈薪ノ句(たきぎのく)〉とも称し,〈法華経を,わが得しことは……〉という詞章で,短歌形式の末句だけ2度繰り返す形式をとり,〈法華八講(ほつけはつこう)〉の五ノ座に用いる。後者は〈仏のおん舎利は遭ふこと難しや……〉という散文形式の詞章で,〈舎利講式〉に唱える。なお,讃嘆と混同されるおそれのあるものに和讃がある。和讃の詞章は七五調4句を1節としてつづられ,詩形だけでなく曲節の形式も讃や讃嘆とは別なので,別種の声明曲と考えたほうがよい。
執筆者:横道 万里雄
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
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