法華八講(読み)ホッケハッコウ

デジタル大辞泉 「法華八講」の意味・読み・例文・類語

ほっけ‐はっこう【法華八講】

法華経8巻を8座に分け、ふつう1日に朝夕2座講じて4日間で完了する法会八講会八講

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精選版 日本国語大辞典 「法華八講」の意味・読み・例文・類語

ほっけ‐はっこう【法華八講】

  1. 〘 名詞 〙 仏語。法華経八巻を八座に分けて、一日を朝・夕の二座に分け、一度一巻ずつ修し、四日間で講じる法会。八講。
    1. [初出の実例]「堂塔供養、並法華八講者、相当大法会儀式歟」(出典庭訓往来(1394‐1428頃))

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改訂新版 世界大百科事典 「法華八講」の意味・わかりやすい解説

法華八講 (ほっけはっこう)

仏事の法要名。法花八講とも書く。《法華経》を対象とする〈講讃〉の法要のうち,もっとも有名なもの。天台系諸宗で勤める。経1巻を法要一座に当て,《法華経》全8巻を八座で完結させる。講師(こうじ),読師(とくじ)が左右の講座に登り,読師が経題を唱え,講師が経釈を行い,そのあと,問者(もんじや)が経釈の内容について質問すると講師が答えるという〈論義〉がある。経釈も論義も簡単なフシがつく。諸役は一座ごとに交替する。上記の手順は各座とも同じだが,一ノ座は,初めに《ばい)》《散花(さんげ)》〈表白(ひようびやく)〉〈神分(じんぶん)〉が唱えられる。また五ノ座はとくに重視され,《唄》《散花》のほかに〈法華讃嘆〉という〈讃嘆(さんだん)〉を唱えて職衆(しきしゆう)が行道(ぎようどう)をし,講師も《仏名(ぶつみよう)》《教化(きようけ)》の声明曲(しようみようきよく)を唱える。この法要は,朝座(あさざ),夕座の二座を1日として4日間で終わるのを本儀とするというが,1日に八座を勤めてしまうことも多い。《法華経》の〈講讃〉には,ほかに〈法華十講〉〈法華三十講〉などがある。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「法華八講」の意味・わかりやすい解説

法華八講
ほっけはっこう

『法華経』8巻を第1巻から1巻ずつ8回に分けて講義し賛嘆する法会。略して「八講」ともいう。起源中国とされるが,日本では延暦 15 (796) 年に奈良石淵寺勤操が4日間『法華経』を講義したのを最初とする。その後宮中幕府において死者追善供養のために行われた。

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世界大百科事典(旧版)内の法華八講の言及

【講讃】より

…講讃には論義(質疑の問答)が付くことが多く,その時は〈講問〉とも称する。講ずる内容が多くて数座にわたる講讃は〈法華八講〉〈最勝十講〉などと称する。法華八講は法華経全8巻を8座に分けた講讃で,毎日の朝座(あさざ),夕座(ゆうざ)の2座を4日間続けて完了するのを本儀とするが,日数を短縮したり,座数を減じたりすることもある。…

【寺事】より

…この場合,(1)1ヵ所の道場で何座もの法要を勤めるかたちと,(2)2ヵ所以上の道場で別法要を勤めるかたちと,(3)その混合のかたちとがある。(1)には法華八講,最勝十講(さいしようじつこう)などがある。法華八講は法華経8巻を講説する講経論義法要で,1巻ごとに一座の法要が完結するかたちをとる。…

【法華会】より

…故事にのっとって論義を行う者を竪者(りゆうしや∥りつしや)といい,その論義の判定をなす権威者を探題と称し,一山の長老があたる。法華八講・法華十講なども法華会と称するが,これは講座の数によって名づけられたものである。【村山 修一】。…

※「法華八講」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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