日本大百科全書(ニッポニカ) 「豊福知徳」の意味・わかりやすい解説
豊福知徳
とよふくとものり
(1925―2019)
彫刻家。福岡県久留米(くるめ)市生まれ。国学院大学国文科を中退、第二次世界大戦後冨永朝堂(とみながちょうどう)(1897―1987)について木彫を学んだ。新制作展に出品して受賞を重ね、1957年(昭和32)会員となる。1959年『漂流』で第2回高村光太郎(こうたろう)賞を受賞、翌1960年ベネチア・ビエンナーレ展出品を機にイタリアに渡り、そのまま定住。具象表現から孔(あな)をうがった抽象作品に移行し、カーネギー国際美術展、サンパウロ・ビエンナーレ展などに出品し、1978年には日本芸術大賞を受賞した。1993年(平成5)紫綬褒章(しじゅほうしょう)受章。代表作に『立像』『空』など。
[三木多聞]