貝殻虫(読み)カイガラムシ

デジタル大辞泉 「貝殻虫」の意味・読み・例文・類語

かいがら‐むし〔かひがら‐〕【貝殻虫】

半翅はんし目カイガラムシ上科の昆虫総称。二齢以降の幼虫は体からろう物質などを分泌して貝殻状のものを作り、植物に固着して樹液を吸う。雌の成虫は幼虫の形態があまり変化せず、無翅むしで貝殻状。雄の成虫は2枚のはねをもち飛ぶ。ルビーロウムシヤノネカイガラムシなどがあり、多くは害虫であるが、ラックカイガラムシイボタロウムシなど有用のものもある。

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精選版 日本国語大辞典 「貝殻虫」の意味・読み・例文・類語

かいがら‐むしかひがら‥【貝殻虫】

  1. 〘 名詞 〙 カメムシ(半翅)目カイガラムシ上科に属する昆虫の総称。体長二~九ミリメートル。カキナシリンゴなど植物体に群居し、液汁を吸う。雌雄によって形態が異なり、雌は羽はなく、終生植物に寄生し分泌物の殻におおわれるが、雄は殻を破り一対の羽をもった成虫になる。ルビーロウムシ、ヤノネカイガラムシなど害虫となるものが多いが、イボタロウムシ、エンジカイガラムシなど分泌物や体成分が利用される種もある。
    1. [初出の実例]「それは丁度貝殻虫のように執拗な感じを与えた」(出典:夢の中での日常(1948)〈島尾敏雄〉)

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